出汁といえば「かつお節出汁」と「昆布出汁」が一般的です。
しかし、そのほかにも「干ししいたけ出汁」や「煮干し出汁」、アナゴやエビ、貝類、たまねぎ、長ネギなどの香味野菜、かんぴょう、油揚げなど「出汁の素」となる食材はたくさんあります。
目次
出汁のうま味
出汁の語源は「煮出し汁」です。素材を煮詰めていって、そのうま味を抽出するためです。食材によりそれぞれうま味に違いがあります。
「イノシン酸」「グルタミン酸」「グアニル酸」の3つは「うまみのトライアングル」と呼ばれています。この3つを組み合わせることにより、相乗効果でうま味が強くなることがわかっています。
世界の出汁
出汁といっても日本の出汁だけではありません。
西洋料理には「フォン」や「ブイヨン」、中国料理では「湯」などの出汁があります。
肉や魚を使った出汁も多いです。
フランス料理、中国料理の出汁も、日本料理の出汁に比べて時間をかけて取るのが主流となっています。
大量の材料を使い、膨大な時間をかけて煮出していくフランス料理、中国料理の出汁は、日本料理の出汁と違って保存性にも違いが出てきます。
日本の出汁はとってから1時間もすると味が劣化してきてしまいますが、長時間かけてとるフォンやブイヨンはしっかりと保存をすると、2週間は持つことができます。
時間をかけてとった湯も、日本の出汁と比べると、長持ちします。
しかし、ハムや干し貝柱、干しエビなどの加工食品を使ったものは長持ちしにくいです。
出汁の風味
日本料理の出汁は主にかつお節、昆布、干ししいたけ、煮干しからとります。
出汁の濃さは、濃ければよいというものではありません。
濃すぎると臭みや酸っぱさ、苦みが強く出てしまい、料理の風味を損ねてしまいかねません。
何のためにその出汁を使うのかを考えると、それぞれの料理を引き立てる役目が「出汁」です。
引き立てるべき食材、料理は何なのか、を考えて出汁の使い方を考えましょう。
色々な出汁の素材
トマト…野菜の中では圧倒的にうま味成分のグルタミン酸が多いです。
イタリア料理の基本ソースには欠かせない、出汁の役割をする野菜となっています。
根菜類…ゴボウ、大根、にんじん、などの根菜類も煮ると美味しい出汁が取れます。
ゴボウの皮の部分も切り落とさず使いましょう。
肉類…肉はアミノ酸のかたまりです。肉そのものから美味しい出汁が取れます。
骨も出汁を取るのに重要な素材となっています。
西洋料理や中華料理は肉類の出汁が重要となってきます。
油脂類…脂にはコクとうま味があります。
油揚げやベーコン、豚の背脂、ごま油などは香りも添える出汁となっています。
あら…新鮮な魚のあらを水から煮出してそのうま味を生かして出汁を取ります。
タイの頭やあらを使うのが一般的ですが、アマダイやキス、蛤などを使い、出汁の素材をそのまま具材にすることもあります。