- 投稿 2018/01/15
- 出汁の基本

目次
煮干し出汁とも呼ばれる
いりこ出汁は場合によって煮干し出汁とも呼ばれます。地方による呼び方の違いもありますが出汁自体は同じものと考えて構いません。そもそも煮干しとはゆでた小魚を干すことで作られたものの総称なので、魚の種類は限定されていません。いりこは魚の呼び名ですが、魚の場合名称が地方ごとに存在することもあり一見同じ魚のことを言っているのか分からなくなることがあります。また魚の成長の段階によって呼び方を変えることもあり混乱しやすいです。
いりこ出汁の特徴
・強い香り
いりこを使った出汁は魚介類の強い香りが前面に強調されます。汁物に使うことや麺類との相性もよく一般的に使用されています。凝縮されたうま味も豊富に含まれており、出汁としての効果が大いに期待できます。出汁はこのうま味が入っていることが一番の良さでもあります。うま味が料理に加わることで素材の味がより引き立てられて、全体として料理がおいしくなります。こうした効果があることから出汁は料理の基本の一つとされ、様々な料理に使われています。
・和食によく用いられる
いりこ出汁は昆布出汁やかつお出汁と並んで和食のベースとなる存在です。和食によく使われる醤油などの調味料との相性も良いため一緒に加えられることも多いです。いりこ出汁が他の種類の出汁と違うのはクセが強く、雑味も入っていることです。そのため味や風味も比較的薄い昆布出汁と比べて好き嫌いの分かれやすい出汁でもあります。
・イノシン酸が豊富
うま味の成分としてはかつお節と同様イノシン酸が豊富に入っています。異なるうま味成分であるグルタミン酸が主成分である昆布との相性はいりこ出汁、かつお出汁どちらも良く、合わせ出汁にして使うことが多いです。特にいりこ出汁は昆布出汁と掛け合わすことで独特の風味を抑えて単一で使うよりも幅広い料理に合わせやすくなります。
出汁を取る順序
いりこ出汁をとるためにすることを順序立ててまとめます。
1. いりこを水に浸します。分量の割合としては水500mlに対していりこ10gが目安です。この割合は実際に何度か作っていきながら好みの味になるよう調整していくと良いでしょう。水に浸しておく時間は最低でも30分以上必要です。そうすることでいりこからうま味成分が抽出されやすくなります。
2. 加熱し時間をかけて沸騰させます。中火程度でじっくりと温度を上げて沸騰させましょう。
3. 沸騰する頃にはアクが出てくると思うので、出てくればお玉などできれいに取り除きます。
4. 5分間煮続けます。沸騰後これ以上長い時間煮続けてもうま味以外の苦味なども多く抽出されてしまうので短時間で終えるようにします。
5. 火を止めてザルにキッチンペーパーを敷いて濾したら完成です。
火を使って煮ることによって出汁を取りました。もう一つ一般的な出汁の取り方として水出しによるやり方があります。これはいりこを水に浸けて一晩置くだけでできるので急いで出汁を取る必要がなければこうした取り方をしても良いでしょう。しかし保存期間はどちらにしても数日程度なので、長くても1週間ほどで使い切ったほうが良い味わいのまま使えます。水出しによる水といりこの分量も煮出しの時と同じです。風味が取り方によって変わってくるので両方の比較をしてみても良いでしょう。