出汁とは何か

昔から和食の基本となっているのが出汁です。ではその出汁とは一体どんなものでしょうか。出汁の基本について紐解いていきます。

出汁とは何か

「出汁」はだしと読み、ほかに「出し」などと表記されることもあります。広くは魚、肉、野菜や野菜くずなどを煮て取った旨味や香りが詰まったものを出汁といいます。和食の世界では主に昆布や鰹節、煮干しや干し椎茸などの乾燥させてうまみが詰まった食品を煮て出した汁のことを出汁と言います。煮出すその調理方法から「煮出汁」を省略して出汁と呼ばれるようになったとも言われています。

世界の出汁

和食で使う出汁以外にも世界には様々な出汁が存在します。その国の食文化などが反映されるものが多く、出汁の素材も様々です。西洋料理で使われるのは牛、鶏、魚のような動物性の素材とニンジンや玉ねぎ、セロリといった香味野菜を加えて煮込むフォンやブイヨンと呼ばれる出汁です。香味野菜が旨味を引き出し、さらにローリエや黒コショウのようなハーブを入れることで動物性の素材の臭みを消す働きがあります。中華料理では鶏肉や鶏ガラなどの動物性の食材に加え、干し貝柱や中華ハムなどの旨味が詰まった素材から出汁をとることが多いようです。

和食で使われる出汁

料亭などの日本料理店では、まず一日に使う出汁を朝準備します。その出汁が店の奥の料理に使われるため大変重要な作業になります。逆にいえば美味しい出汁をとることができれば美味しい料理に一歩近づくといえます。

和食では煮物や汁物、あえ物や炊き込みなどほとんどの料理に出汁を使います。しかしその料理によって出汁を変えている場合もあります。同じ素材でも出汁の取り方を変えることで風味は全く異なり、さらに出汁の素材自体や組み合わせを変えることで旨味の相乗効果を狙うこともあります。

昆布出汁

昆布を素材として取った出汁は磯の香りが特徴でやさしい旨味が楽しめます。幅広い料理に使われますが、身近なところだと炊き込みご飯や湯豆腐などに用いられます。羅臼昆布や利尻昆布、日高昆布など使う昆布によっても風味が変わってきます。使うときには昆布は洗わず、表面を固く絞った布巾で拭く程度にします。

かつお出汁

かつお節を使っただしはさっぱりした中にかつおの濃厚な香りが立つ出汁です。煮物や汁物、炊きものなど幅広く使われます。上品な香りと旨味が特徴の一番出汁と、濃厚な香りとうまみが特徴の二番出汁があり、料理によって使い分けられます。

昆布とかつおの合わせ出汁

昆布の上品なうまみとかつおの香りとうまみを合わせたものが昆布とかつおの合わせ出汁です。それぞれのうまみを合わせることでより奥深い旨味を生み出すことができます。煮物や汁物、鍋ものなどに使われます。

煮干し出汁

煮干しを使った出汁は主にみそ汁などに使われます。かつおや昆布の出汁にはない独特の濃厚な香りとうまみが特徴です。頭と内臓を取った煮干しを水に漬け、しばらくおいて旨味を引き出してから火にかけます。似すぎると渋みやえぐみが出ることがあるため、注意が必要です。出汁を取った後の煮干しはそのまま具として食べることもできます。頭と内臓を取り除かずにそのまま出汁を取る場合もあります。