出汁とは何か

和食には欠かせない出汁とは一体どんなものなのでしょうか。出汁の基本やうまみ成分についてご紹介します。

出汁とは

出汁とは食材を水で煮出し、旨味を抽出したもののことを指します。食材を煮出して作ることから省略して出汁と呼ばれています。和食では主にかつお節、昆布、にぼし(いりこ)、干ししいたけなどから取ったものを用います。植物性の食材で取った出汁を精進出汁といい昆布や干しシイタケ、かぶなどの野菜から取られ、精進料理で使われます。

うまみとは

うまみ物質は私たちが口にするさまざまな食品に含まれています。グルタミン酸は主に昆布や野菜などの植物性のものに、イノシン酸は魚や肉類に、グアニル酸は干しきのこ類に多く含まれています。さらにこのうまみ成分は干すことによって増すことで知られ、昆布やかつお節、干ししいたけをはじめ、出汁を取る野菜も天日で乾燥させることでうまみ成分がぐっと高まっていきます。近年出汁は顆粒上や液体などそのまま使えて便利になっていますが、そのうまみを生み出すには長い時間がかかっているのです。

かつお節のうまみ成分イノシン酸

出汁にはそれぞれ異なるうまみ成分が含まれています。和食で広く使われるかつお節のうまみ成分はアミノ酸の一種であるイノシン酸です。さらにイノシン酸とは別に含まれている約20種類のアミノ酸との相乗効果によって旨味が生み出されます。かつお節のうまみはイノシン酸だけで生み出せるものではなく、かつお節が作られる工程で生まれる数多くのアミノ酸があってこそだといえます。イノシン酸にはほんの少しの苦味があるといわれています。

昆布のうまみ成分グルタミン酸

昆布に含まれるうまみ成分はグルタミン酸です。グルタミン酸は昆布以外にもお茶やトマトにも含まれるうまみ成分です。意外かもしれませんがトマトを味噌汁の具にするとおいしいのはこのグルタミン酸によるものです。お茶もほんのりとした甘みが感じられます。昆布のうまみは湯豆腐などには欠かせません。

にぼしのうまみ成分

にぼしに含まれるうまみ成分はかつお節と同じイノシン酸です。同じイノシン酸でもかつお節で取った出汁とはまた違ううまみが出るのがにぼし出汁の魅力です。にぼしはそのまま使ってもうまみが出にくく、出汁を取る前に下処理が必要です。手で頭とを取り、内臓を取り除き身を二枚に開きます。身を開くことで表面積が増えて出汁が出やすくなり、内臓や頭を取り除くことでえぐみや苦みが出ないようになります。時間があるときに頭と内臓を取り除き、冷凍しておくとすぐに出汁を取れて便利です。

うまみの相乗効果

料理に出汁を使う場合、しばしば他の出汁と組み合わせて使うことがあります。これは出汁に含まれるうまみの相乗効果を狙ったもので組み合わせは無限です。中でもよくつかわれるのがイノシン酸を含むかつお節とグルタミン酸を含む昆布の組み合わせです。ほかにも西洋料理ではイノシン酸を含む肉とグルタミン酸を含むにんじんや玉ねぎなどの野菜を合わせてフォンと呼ばれるスープを取ります。中華で多く用いられる鶏肉としょうが、長ネギを組み合わせたスープも同じようにイノシン酸とグルタミン酸を組み合わせてうまみの相乗効果を狙ったものといえます。