出汁とは何か

うま味成分を抽出した汁

・出汁の持つ役割

出汁の存在意義のほとんどは料理にうま味成分を加えることにあります。基本的には料理の基礎的な、味を整える役割を担っています。しかし必ずしもこのようなサポート役でしかないということではありません。出汁をふんだんに使う汁物であれば出汁が主役のように振舞います。また強い香りを持つものは香りづけをするための存在であることや、色が出やすい素材であればその特性を活かした使い方がされます。

・うま味成分とは

そもそもうま味成分とは、塩味や甘味、苦味のような味として近年認知されつつある独立した味そのものとも言われています。うま味はそれ以外で味の表現することが難しく、絶妙に食材の味を引き立てることができるものです。うま味を豊富に含んだ出汁があるのとないのとでは料理全体としてその完成度に大きな差が生まれます。しかしうま味を出汁そのものだけで感じることは難しいです。実際、うま味以外の味があまり出てこない、クセの少ない昆布出汁などはそれだけを味わってもおいしさは分かりにくいです。

うま味を生み出す要素

・うま味の3種

うま味はグルタミン酸やイノシン酸の味とも言い換えることができます。つまり出汁を取るということはある食材からこうした要素を取り出す作業を意味します。グルタミン酸は主に植物性の食材から抽出することができます。そのため昆布出汁にはこのグルタミン酸が多く含まれることになります。イノシン酸は動物性の食材からの抽出が多くなります。かつお節や煮干し、鶏がらのように動物から多く引き出すことができます。またグアニル酸という要素もあります。これはキノコ類に多く含まれている栄養素です。キノコ類を使った出汁と言えばマツタケ出汁やシイタケ出汁があります。

・組み合わせて使う

実際これらの出汁を使う時、いくつかの出汁を組み合わせるように料理に使用されることが多いです。キノコ類から取る出汁もその傾向にあり、栄養素に着目すればグアニル酸とイノシン酸、またはグルタミン酸が混ざり合うことになります。同じうま味を構成するこれらの成分は実は相性が良く相乗効果を生むことができるためこうした合わせ出汁ができています。一番出汁や二番出汁はこの相乗効果を特に上手く生かした出汁と言えるでしょう。

出汁の種類

使用頻度の高いものであれば昆布出汁やかつお出汁があります。煮干し出汁も活用場面は多い出汁と言えます。どれも出汁の取り方は似ています。加熱し、熱湯にうま味を抽出する流れとなります。いずれも水の沸騰後は長時間煮ることはなく、長くても煮干しを10分煮る程度です。昆布では沸騰するギリギリ前に取り出し、かつお節を使う場合でも熱湯に投入した後数分で火を止めて濾すことになります。これら以外にも素材によって様々な出汁を取ることができます。魚介系の青臭さの少なく脂肪分も少ないあご出汁や、色んな野菜くずの再利用が可能な野菜出汁などまだまだ紹介できないほど種類は豊富です。またほんだしのように簡単に出汁を作ることができるものも売られています。時間がないときにはこうしたものを利用すると良いでしょう。

出汁とは料理のベースなる存在

出汁の持つ意味や、どのような成分が含まれているのか、そして様々な種類があるということを説明しました。基本的に共通しているのはメインとなる料理と組み合わせ、味の基礎固めをしてくれるような存在であるということです。