出汁のことを詳しく知る

出汁とは

・うま味成分

出汁は、ある素材から加熱や水に浸けることでうま味を取り出したものの事を言います。うま味成分を出汁としてどの食材からでも取り出せるわけではありません。グルタミン酸やイノシン酸がうま味の元になっており、これを多く抽出できる食材でなければ出汁の素材として採用することはできません。またもう一つグアニル酸という要素もうま味を感じさせる要素です。

・素材によってうま味の主成分が異なる

それぞれの要素は食材の種類によって含有割合が異なります。例えば出汁を取る時によく使われる昆布だとグルタミン酸が多く含まれています。昆布の種類にも日高昆布や利尻昆布など他にも色々ありますが基本的に全てグルタミン酸が優位に割合を占めています。このことは昆布に限られたものではなく、植物性の素材であればグルタミン酸が多く含まれる傾向にあります。一方イノシン酸を多く含む素材はかつお節が代表格です。かつお節以外でも動物性の素材であれば共通してイノシン酸の割合が高いです。またグアニル酸はシイタケやマツタケなどのキノコ類に共通して割合高く含まれます。各食材に着目すると共通点が無いようにも思えるものが出汁に使われていますがどれも良いうま味を出してくれます。

・うま味の「味」

うま味は酸味や甘味、塩味、苦味等と並ぶ一つの味覚とも考えられています。酸味のある食べ物がどれも同じジャンルに含まれるとは限りません。甘味に関しても色んな食べ物でそれぞれの甘味を味わうことができます。うま味もこのように考えれば納得がいきます。かつお節や昆布はもともと全く違うジャンルの食材であるにも関わらずうま味が出せるのはおかしなことではありません。感覚的なもので味の分類をしているだけなので、同じうま味と言っても細かく分類すればグルタミン酸とイノシン酸とでは微妙に感じ方に違いが生じていることでしょう。ただ、舌で感じる味覚にも限界があるためある程度大きな括りで味を分割する必要があり、これを「うま味」としています。

複数の出汁を合わせて使う

同じうま味を生み出す出汁同士でも組み合わせることで相乗効果を発揮することができます。科学技術が今ほど進歩する前、味に関する科学的な見地が昔はありませんでしたが出汁を合わせて料理に活用するという手法は取られていました。これは理論的な説明ができなくても人間が感覚としてその効果を実感していたためと考えることができます。出汁の使い方に限らず、多くの調理手法はかつてから確立できていました。長い歴史の中で、人間は生きるために食との深いかかわりを持ってきました。その長い期間で食文化は徐々に洗練され、現代にまで数々のテクニックが受け継がれることになりました。

出汁の使い道

日本で登場頻度の高い出汁は昆布出汁とかつお出汁です。また上で説明したような、かつお出汁と昆布出汁を合わせた出汁もそれぞれ単一の出汁と並ぶほど頻繁に用いられます。昆布出汁とかつお出汁を合わせて使うことでそれぞれの良いとこ取りができます。もちろん少しだけ余分に手間がかかってしまうデメリットや、それぞれの風味を強く出したいときには向いていません。昆布出汁からはグルタミン酸、かつお節からはイノシン酸が抽出され結果として非常に幅広く様々な料理に活用することができます。