種類によらない基本的な出汁の取り方

目次

出汁の種類は豊富

・基本的な出汁では昆布やかつお節を使う

出汁として利用できる素材には数多くの食材があります。その数の分だけ出汁の種類があり、それぞれに最適な取り方が存在します。しかし一般家庭においてはそれらの全てを網羅する必要はほとんどありません。日本においてよく使われる出汁は昆布出汁やかつお出汁です。それぞれの出汁を併せて使うことも珍しくありません。

・出汁の目的

どの素材を使った出汁でも基本的にはうま味成分を出すことがその目的です。昆布出汁のようにそれ単体で味の薄いものと違い、味が濃く香りの主張が強いものにおいては味付けや香りづけの意味合いが大きくなってくるものの、やはりうま味を加えることは出汁としての最も大きな役割と言えます。昆布出汁やかつお出汁の他には煮干し出汁、白出汁、マツタケ出汁、野菜出汁などがあります。また昆布とかつお節など複数の素材を併せて取る一番出汁、そして一番出汁を抽出した後そこからさらに出汁を取りだした二番出汁なども存在します。

加熱することで出汁を取る

上で色んな出汁を紹介しました。水に浸けておくだけでじっくりと時間をかけて出汁を取ることができるものもありますが、基本的にはどれも加熱を要します。どの出汁においても種類によらず、素材に加熱を施すことでうま味成分やその他の成分を引き出すことになります。うま味成分と言うと抽象的で分かりにくいかもしれませんが、出汁を取る作業ではうま味となるアミノ酸や核酸を取り出していることになります。さらにこれを細分化して言えば、昆布などの植物系の食材からはグルタミン酸、かつお節などの動物性の食材からはイノシン酸が主成分として出てきます。これらの成分を口にしたとき他の味とは異なるうま味として感じることができます。どの出汁においても水と共に熱を加え効率よく様々な成分を出させています。

加熱の時間には注意が必要

・素材によって加熱時間が異なる

かつお出汁では水の沸騰後かつお節を入れることになりますが、この他昆布やキノコ、野菜、煮干しなどは水に浸しておいてそのまま加熱という流れになります。加熱をすることでうま味成分を抽出できるため、より長い時間加熱した方が良いようにも思えます。しかし実際はそこまで単純ではありません。昆布出汁では沸騰直前取り出し、煮干し出汁では沸騰後10分ほど加熱してから取り出すのがおいしい出汁の取り方とされています。人それぞれ味覚に合う加熱時間は存在するものの目安はこのように言われています。

・バランスの良い加熱時間

なぜこのように加熱時間に制限を付けた方がおいしく出来上がるのでしょうか。これはうま味成分以外にも色んな成分が抽出されていることが関係しています。素材を加熱した時そこから出てくる成分には必ずしも料理に合うものとは限りません。例えば数々のレシピで紹介されている加熱時間を大幅に超えると食材によっては苦味が出てきてしまうこともあります。素材から抽出されるうま味とマイナスの要素との兼ね合いを考えて算出された時間がレシピになっていると言えます。

水に浸し加熱することが基本的に共通している

出汁として、料理に活用するため抽出する場が必要となるので当然水は必要です。また水に浸すことにはそれだけでもうま味を引き出す役割があります。そこにさらに火をかけ熱を加えることで効率的に出汁を取っています。