鰹節は、昆布と並ぶ日本料理の出汁の素材です。
上品な味と香りの出汁で、「勝男武士」などといった言葉に置き換えられるため、昔から縁起物とされてきました。
鰹節と言っても、様々な種類があります。
鰹節は1尾から4本とれます。
三枚におろし、左右に分けた身をさらに背側と腹側に分けますが、背側でつくったものを「雄節」、腹側でつくったものを「雌節」と呼びます。
「雄節」は、淡泊で澄んだ色の出汁が取れ、あっさりとした澄まし汁などによく使われます。
一方「雌節」は、大トロや中トロの部位を含んでいるため、脂っぽさがあり、濃い口のつゆやそばつゆ、煮物などに適しています。
目次
削り節の種類
この鰹節を薄く削ってできたものを「削り節」と呼びます。
お湯に入れ、取り出すだけで美味しい出汁を取ることができますが、削り方により、出汁の味わいが変わってきます。
・厚削り
鰹節を0.2mm超に削ったものです。
力強く濃い味の出汁がとれます。
そばやうどん、ラーメンなどのつゆや、煮物におでんなどに適しています。
・薄削り
鰹節を0.2mm以下に薄く削ったものです。
少量でも薫り高く、短時間に効率よく出汁を取ることができます。
長い時間煮込んだり、むやみにかきまわしたりすると、雑味が出てしまうので、なるべくかき回さずにさっと浸してとるようにします。
鰹節でとる出汁
鰹節を使用する出汁で一般的なのが「一番出汁」と「二番出汁」です。
「一番だし」は濁りのない上品な琥珀色をしており、高い香りが特徴です。
昆布を水から煮出し、沸騰直前に取り出します。
そこに鰹節を加え、あくを取り、火を止めます。
雑味が出ないように鰹節には触れずに底に沈むのを待ち、こします。
これを「一番出汁」といいます。
特に吸い物などの透明度の高い料理や、薄味で素材の味を生かした料理に向いています。
水に対する重量比は「昆布1~1.5%、鰹節3%」です。
材料は「真昆布10~15g、鰹節(血合い抜き)30g、水1ℓ」です。
出汁の決め手は生臭さやエグ味が出てしまうので、あくを取った長時間置かず、すぐにこします。
また、火が強いと鰹節が踊ってしまい、濁るので、弱火にします。
「二番出汁」は金色で、うま味が強いのが特徴です。
一番出汁を取った後の材料を使うのが特徴で、一番出汁で取り切れなかったうま味を抽出したのが「二番出汁」です。
風味を出すために、途中で新しい鰹節を足します。
昆布と鰹節を水からゆっくり煮出し、最後は絞るようにこします。
しっかりと味をつける煮物やみそ汁に向いています。
材料は「昆布(一番出汁をとったもの)、鰹節(一番出汁をとったもの)、追い鰹15~適量、水1ℓ」です。
出汁の決め手は、最後にきちんとしぼります。しぼることによって一番出汁を使った材料からうまみを出すことができます。