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煮干しは私たちが健康を維持するための栄養素が詰まった天然のサプリメントとでもいうべき優れた食品です。
出汁を取るだけではなく、その栄養や特徴を知りながら、煮干しのパワーを無駄なく身体に取り入れましょう。
目次
煮干しの栄養
煮干しは頭から骨まで、まるごとすべてを食べることができる優れた食材であり、特にDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。不飽和脂肪酸には血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを下げる働きがあり、動脈硬化や心筋梗塞を予防します。また脳神経の発達を促進する働きもあるとされていますので、認知症の予防・改善にも効果を発揮します。
また煮干しはミネラルを豊富に含み、特に健康な骨と歯を作るカルシウム、貧血や疲労を防止する鉄、免疫細胞を活性化する亜鉛、正常な血圧の維持を助けるマグネシウムなどを含んでいます。
煮干しは「イワシペプチド」という酵素を含んでいることでも注目されています。これはイワシから抽出される酵素で、血圧を安定させる効果があります。
煮干しの種類
煮干しは多くはカタクチイワシ、マイワシの稚魚を塩茹でして干したものです。中には鯵やトビウオを原料とする地方もあります。
カタクチイワシが原料の「カタクチ煮干し」は最も生産量が高い一般的な煮干しです。別名いりこと呼ばれる「かえり煮干し」はカタクチイワシの稚魚の煮干しで、カタクチ煮干しに比べて臭みが少ないのが特徴です。そのため出汁を取るだけではなく、おやつにそのまま食べることもできます。カタクチイワシの小魚が原料の「ごまめ」はかえり煮干しとは違い塩茹でせずにそのまま乾燥させたもので「田作り」とも呼ばれています。
「しらす干し」は煮干より更に小さな稚魚を塩茹でして軽く乾燥させたもので、しらす干しを更に乾燥させたものが「ちりめんじゃこ」になります。また、ちりめじゃことよく似た「こうなご」は、いかなごを原料としており、ちりめんじゃこよりも頭が尖っているのが特徴です。
煮干しの選び方と食べ方
鮮魚と同じように、煮干しも鮮度が大切です。DHAやEPAなどの優れた成分も、鮮度が落ちると劣化してしまいます。新鮮な煮干しの見分け方を学びましょう。
鮮度のよい美味しい煮干しは、背中が「くの字」に盛り上がっています。色は青みがかった綺麗な銀白色のものを選びましょう。
背中とは逆にお腹が「くの字」に盛り上がっている煮干しは鮮度が悪い煮干しです。また、赤茶色に変色しているものなどは脂肪が酸化しているため避けた方が良いでしょう。
健康に良い成分がたくさん含まれる煮干しは、出汁を取るだけではなく身も残さず食べることをおすすめします。
出汁を取った後の煮干しを、そのまま味噌汁の実として頂くのも手軽で美味しい食べ方です。注意したいのは油を使う料理です。DHAやEPAなどの油脂は油に溶け出てしまうため、揚げ物などは向きません。
煮干ししょうゆの作り方
煮干しをしょうゆに浸けておくと、うま味が豊富な美味しいしょうゆが出来上がります。
【材料】
煮干し・・・適量
しょうゆ・・・適量
【作り方】
①煮干しは頭とはらわたを取り除きます。かえり煮干しのような臭みのないものでしたら丸ごと使います。
②清潔なビンに煮干しを入れ、しょうゆをヒタヒタに注ぎます。
③一昼夜おくと、うま味が充分に引き出された美味しいしょうゆの完成です。
④使ったらしょうゆを継ぎ足し、煮干しから出汁が出なくなったら新しい煮干しに変えます。
⑤浸けた後の煮干しは佃煮や煮物などに活用しましょう。